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隣接士業からの最新情報(社会保険労務士編2)

奥村経営管理事務所 奥村 一光(社会保険労務士)

厚生年金保険の保険料の支払

 厚生年金保険の保険料は、平成14年3月までは入社後65歳に到達した月の前月まで納付することになっています。しかし、平成14年4月からは「厚生年金保険法」の改正により厚生年金保険の被保険者になる年齢が65歳未満から70歳未満に改正により延びました。それに伴い保険料を納付しなければならない期間が65歳から70歳に変化しました。
 今年(平成14年)に入って、会社に勤務する(代表取締役を含む)65歳以上で保険料を支払っていなかった者に対しても社会保険事務所は、厚生年金保険の被保険者資格取得の届出書を送り、保険の加入と給与からの天引きを促しました。
 厚生年金保険料は、標準報酬月額に173.5/1,000を乗じた金額です。保険料は労使で折半しますが、労使ともに非常に大きな負担になっています。
 その上、今までは65歳になると老齢年金の給付が満額行われていたものが、平成14年4月2日以降に65歳になる者(男性)は、老齢基礎年金は全額支給されますが、厚生年金の年金額の一部が減額されます。この減額される額は、標準報酬月額と年金月額(老齢厚生年金部分)の合計が37万円を超えた場合で、37万円を超えた部分の1/2が減額されます。
 年金については、平成15年4月からの総報酬制などが予定されており改正情報に目が離せません。


個別労働紛争解決制度その後

 平成13年10月に制定された「個別労働紛争解決制度」とは、個々の労働者と使用者との間で起きた行き違いや誤解、さらには不平や不満を公的労働相談の窓口で受付、すばやい解決を図る制度です。
 その結果を厚生労働省は次のように報告しています。
 今年1月3月まで受け付けた相談は全国で130,215件。うち、企業組織の再編や人事労務管理の個別化に伴い、解雇や労働条件の引き下げ、退職勧奨等、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争、いわゆる個別労働紛争が20,814件で、前年度に比べ年間ベースでも増加しています。
 紛争のうち労働局長による助言・指導にまわったのは358件であり、また、あっせんについても、申請は511件ありました。そのほとんどが1~2ヶ月以内に手続を終えており、労働者も使用者も、ある程度納得いく形で解決ができる制度、として利用されているということがいえるでしょう。


高年齢者共同就業機会創出助成金 平成14年度分

 3人以上の高齢者が共同で法人事業を設立して創業を開始した場合に、事業の用に供する費用(例えば経営コンサルタントに関する事業計画作成経費、事業の円滑な運営に寄与するための教育訓練費用、事業所の改装費用、設備費用、賃借料の6か月分、広告宣伝費など)の2/3が上限500万円まで助成される高年齢者共同就業機会創出助成金があります。
 この助成金は、厚生労働省の助成金では珍しく、支給要件を満たしていても、予算の範囲内で支給されるものであり、申請を完了しても支給されないことがあります。その要件としましては、高齢者が多い事業所、従業員が多い事業所などが優先されるようです。
 昨年度(平成13年度)からいくつか細かい点が変更されているようですが、その中で最大の改正点は、年齢要件が緩和されたことです。従来は60歳以上の高齢者3人以上で法人設立することが必要でしたが、今年度からは平均年齢60歳以上、個人としては55歳以上であれば要件を満たすことになりました。また高齢創業者の議決権の合計が過半数を占めていることも新たに加えられています。高齢創業者は、他の事業についていてはならない等の要件があります。事前に高年齢雇用開発協会にお問合せください。


児童扶養手当の改正内容について

 母子家庭等に支給されている児童扶養手当制度が今年(平成14年)の8月から改正されます。現在は、所得に応じて、手当額は2段階(全部支給が月額42,370円、一部支給が月額28,350円)ですが、今回の改正では、全部支給と一部支給の所得の限度額が変わり、一部支給の手当額については、所得に応じてきめ細かく定められます。
 また、児童扶養手当の支給事務は、現在、都道府県で行っていますが、8月からは、市が行います。(福祉事務所を設置する町村では、町村が行います。また、福祉事務所を設置していない町村の区域は、引きつづき都道府県が事務を行います。)

1.改正の趣旨

 現在の児童扶養手当は、所得に応じて手当額が2段階のため、収入が増えても、収入と手当の合計額である総収入額がかえって減ってしまう場合があります。今回の改正では、就労等により収入が増えた場合、手当を加えた総収入がなだらかに増えていくように、手当額がきめ細かく定められます。

2.具体的な内容

(1)所得制限限度額と手当額の見直し

 現在の手当は、母と子ども1人の母子家庭を例にとると、収入が204.8万円未満の場合は、全部支給の42,370円(月額)が支給されています。また、収入が204.8万円以上で300万円未満の場合は、一部支給額の28,350円(月額)が支給されています。
 今回の改正では、全部支給、一部支給、支給停止を決定する所得の限度額が変わるとともに、一部支給の額が所得に応じてきめ細かく設定されます。
 まず、所得の限度額は、先ほどの母と子ども1人の母子世帯を例にとると、収入が130万円(「所得」で、57万円)未満の場合は、全部支給額が支給され、収入が130万円以上で365万円未満(「所得」で、57万円以上で230万円未満)の場合には、一部支給額が支給されます。
 また、支給額(月額)は、全部支給はこれまでと同じ42,370円ですが、一部支給は、所得に応じて、42,360円から10,000円までの10円きざみの額となります。
 なお、扶養親族等の数が異なるとこれらの限度額は変わります。さらに手当額も第2子については月額5,000円、第3子以降については1人につき月額3,000円が従来どおり加算されます。実際の適用は、収入から給与所得控除などを控除し、養育費の8割相当額を加えた額(児童扶養手当では、これを「所得」と言います。)と「平成14年度所得制限限度額」の表に記載されている限度額とを比較して、全部支給、一部支給、支給停止のいずれかに決まります。このため上記の収入130万、365万円はあくまでも目安です。

(2) 所得の範囲等の見直し

 児童扶養手当を請求する者が母親の場合には、所得の範囲が次のように変わりますのでご留意ください。(養育者については、従来どおりです。)

 ア 母がその監護する児童の父から、その児童について扶養義務を履行するための費用として受け取る金品等について、その金額の80%(1円未満は四捨五入)が「所得」として取り扱われます。
 イ 従来、収入から控除していた寡婦控除、寡婦特別加算は控除しないこととなります。
 ウ また、請求者が特別障害者控除を受けている場合、収入から控除できる額が35万円から40万円に引き上げられます。(これは母と養育者の両方に適用されます。)

(3) 制度改正に伴う配慮

 このような児童扶養手当制度の改正が、生活に与える影響を緩和する観点から、現在、児童扶養手当を受給している方で今回の改正により手当額が減額となった方を対象に新たな貸付金(特例児童扶養資金)を設け、無利子の貸付を行います。

3.実施時期

 今回の改正は、今年(平成14年)の8月から実施されます。なお、手当の実際の支払いは、8月分から11月分までの4ヶ月分をまとめて12月に行われますので、新しい制度による手当の支給は、12月支給分からとなります。
 また、今回の改正に伴って、毎年の現況届などの記載事項も変わります。さらに、新たに養育費等に関する申告書などの書類も提出していただくことがありますのでご留意ください。