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谷口税理士事務所
谷口 嘉信 (税理士)
贈与税の基礎控除額
法改正により、昨年(2001年)より当分の措置として贈与税の基礎控除額が110万円に引き上げられました。このことはご存知だと思いますが、具体的な贈与の場面ではどのように扱えばよいのでしょうか。
現実的に多いと予想されるのは、(1)金を贈与する場合、(2)不動産の持分を変更する場合、(3)株式を贈与する場合、の3つと思いますが、今回は現金を贈与する場合について説明します。
1.100万円の贈与なら申告は要らない?本当?
110万円までの贈与は非課税ですから、親が子供にポンと百万円の札束を渡しましたが、子供は申告しませんでした。これは間違ってはいません。
しかし、相続税対策として毎年百万円ずつ数十年間渡し続けていたところで親が死亡し、相続が発生したとします。既にもらっていたお金は相続の対象とならないはず(一部例外有り)ですが、毎年もらっていたという証拠がありません。そこで、税務署の要らぬ追及を受けたり、課税されてしまうこともあります。
では、どうすればよいのか。賢いやり方は、あえて申告して証拠を税務署に残すことです。具体的には、非課税の110万円の贈与を受けるのはなく、111万円の贈与を受けます。こうすると、非課税ではないので申告をする必要がありますが、課税されるのは110万円を超えた1万円だけですので、贈与税額は1,000円です。
この1,000円を無駄な出費と考えるか、後に税務署に対し争点を残さないための手続料と考えるかの問題ですが、私としては後者をお勧めします。
ただし、通帳、印鑑、カードを親が管理している子供名義の預金口座に入金したような場合、子供はこのお金を自由に使うことができませんから、このような場合には贈与があったと判断されないこともあります。
2.400万円も得をする!
贈与された現金の使途が住宅取得資金である場合は、1,500万円までの部分については5分5乗方式により計算しますので、さらに税負担が軽減されます。
具体的には、以下のようになります。
通常は110万円が非課税限度額ですから、1,500万円の贈与を受けた場合、税額は505万円となります。
(1500−110)×50%−190=505
しかし、住宅取得資金として贈与を受けた場合は、毎年300万円を5年間に渡り贈与を受けたと見てくれます。そこで、1年間の税額を計算し、それに5を乗じます(5年分)。
1年間の税額は21万円で、これに5を乗じますから、納める税額は105万円となります。
{(1,500×1/5)−110}×15%−7.5=21
21×5=105
通常の場合の税額である505万円と比べると400万円も軽減されます。
ただし、住宅取得資金ですから、実際に住宅を取得しなければならないことは言うまでもありません。
また、5年分の非課税限度額を使い切っているわけですから、贈与を受けた翌年から4年間はすべての贈与が課税対象となりますので、申告して納税する必要があります。
現金ではなく、不動産や株式を贈与する場合はそれらの価値を評価する必要がありますが、この評価額は時価ではありません。評価をするのは税理士が一番適していると思いますので、次回は不動産や株式の贈与について説明したいと思います。
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